京阪神木造住宅協議会 活動報告

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2014年度 京阪神木造住宅協議会の活動報告

更新日 2014.11286

「第19回研修会」のご報告

セミナー

『設計の標準化』と『工務店のマーケティング』

  • 講師 伊礼智設計室 代表取締役 伊礼智 氏
  • 講師 株式会社山弘 代表取締役 三渡眞介 氏
  • 11月28日(金) 三宮研修センター  参加者 86名/60社
『設計の標準化』と『工務店のマーケティング』

年末を控える忙しい時期にも関わらず多くの方にご参加いただきありがとうございました。

講師の三渡氏の「且R弘」が拠点を置く兵庫県も注文住宅におけるハウスメーカーの受注率が全国平均からみてまだまだ高く、地域の工務店に市場を取り返す余地が有ります。 また、急速に減り続ける大工職人の問題への取組みを積極的に行いながら、独自の資材流通を簡略化して流通コストを削減し、それによって浮いた費用を山主と山林の維持保全に還元する仕組みを構築して実践されておられます。

伊礼先生とのコラボレーションは、新築受注の弾みになった一方で、そこに至るまではデザインに対する考え方のギャップが大きな課題となったようです。 既にご存知の方も多いかと思われますが、伊礼先生の提案するデザインは一般的な住宅よりも一尺近く階高が低くなっています。 見慣れていないと違和感があるほど低い天井高ですが、この階高によって空間に広がりを表現できます。 また、何よりも建物の外観がとてもカッコよくなる事が大きな特徴です。 現代の住宅事情では、限られた区画の中に効率よく建物を配置する事を優先させるため、外観が縦長になる傾向にあったかもしれません。

伊礼先生が設計する住宅は基本的な階高から温熱住環境にいたるまで詳細なディテールを繰り返し使い回す『設計の標準化』を進め、注文住宅でありながら完成度の高さと合理化を両立させる内容となっていました。

今回のご講演も、住宅着工棟数が減少する中で地域工務店にとっては大変貴重な内容になったのではないでしょうか?

また、講師の伊礼先生は鹿児島から、三渡社長は東京からとご出張先から直接会場入りしていただきました。ご多忙の中、ご講演いただきありがとうございました。

本年の研修会も最後となりました。協議会会員の皆様におかれましては、協議会の運営にご協力いただきありがとうございました。

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更新日 2014.09.16

「第18回研修会」のご報告

見学会 セミナー

『建て起こし工法・長期優良住宅完成見学会』と『新住協関西、高断熱セミナー』

8月26日(火) 大阪市西成区新築現場/難波御堂筋ホール8階
参加工務店33社/参加者51名

高断熱セミナー&JBN実践説明会

大阪市西成区の住宅街の車一台がやっと通れる細い路地の奥に今回の見学現場があります。
奥行18m間口4mの両サイドをアパートと住宅に挟まれた狭小地です。
この日は、朝から強い日差しが照りつけ時間を追うごとに気温が上がる一方でしたが、一歩建物の中に入ると冷房もいらない涼しさと風通しの良さを感じます。 この風と暗くなりがちな1階のフロアーまでしっかりと光を取込む建物の真ん中を1階から3階の天井へと抜ける吹き抜けに、見学者の誰もが圧倒されていました。 協議会の会員であるダイシンビルドさまの設計に対し、同じく会員である徳永建設さまがこの狭小地の困難な現場での建て起こしの技術提供することによって実現した物件です。
今後もこのような協議会の会員同士で協力しあうことによって困難な工事も実現可能となることが増えるよう期待するところです。

長期優良住宅 完成見学会

午後の部は、引き継づき新住協の会員でもあるダイシンビルドの清水社長に、高断熱施工セミナーを行っていただきました。 断熱工事に精通した新住協ならではのシュミレーションとそのデータに基づく技術講演でした。 また、最近少しずつ耳にする床下空調の事例紹介もあり、断熱施工の重要性を教えていただくとともに、常に先を行く研究成果を見せていただきました。

次回の研修会は11月28日に、伊礼先生とヤマヒロの三渡社長様の実践発表を計画しております。
ぜひご期待ください。

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更新日2014.07.18

地域型住宅ブランド化事業 実務説明会のご報告

ブランド化事業
地域型住宅ブランド化事業 実務説明会のご報告

7月9日(水)  大阪市 梅田第三ビル 参加者22名17社

先日行われたブランド化事業の採択において本年度も当協議会の事業「京阪神地域木造高耐震住宅」が採択され、助成枠が47棟(実績のある工務店29棟、実績のない工務店18棟) と確定いたしました。多くの工務店様のご協力により今回の結果となりましたこと、深くお礼を申し上げます。

この結果を受けて、今後の実務に備えて説明会を開催させていただきました。
お忙しい中多くの方々にご出席いただきありがとうございました。

ブランド化事業の基本仕様の昨年度との違い
「住宅履歴情報への登録を証明できる書類の提出」について、JBN『いえもりかるて』の指定を本年度より任意指定としています。
住宅の省エネルギー技術に関する講習の修了者が必須
補助対象住宅の条件として、住宅の省エネルギー技術に関する講習の修了者がその設計、施工、または工事監理に関わるものとなっています。
交付申請時は受講予定でも申請可能ですが、施工者、設計者、工事監理者のいずれかに省エネ講習の修了者が居ない場合は、実績報告までに必ず受講してください。
助成枠の棟数配分
確認申請書の先着順とさせていただきます。
ブランド化事業のパンフレットと共に「26年度ブランド化事業希望物件数のご確認」の書類をご送付させていたたいております。
お手数お掛けいたしますが、ご記入の上FAXにてご送付いただきますようお願いいたします。

その他、活動等の条件や詳細について随時ご案内させていただきます。
また、ご不明な点などありましたら、事務局の方までお問合せをお願いいたします。

次回研修会は、
午前中に協議会会員工務店様のコラボによる狭小地での建て越し・長期優良住宅の完成見学会を。
午後からは新住協関西と協議会のジョイント開催!高断熱セミナーを行います。
また、今年度よりスタートしたリフォームの助成金制度(最大100万円の補助)について、JBNの窓口担当者にこれまでの実例を基に申請業務の実践ポイントをレクチャーしていただく時間も設けております。
是非、ご参加をお願いいたします。

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更新日 2014.06.26

第17回研修会のご報告 「住まいの省エネと健康の深い関係」近畿大学 岩前篤教授

セミナー
第17回研修会のご報告
第17回研修会のご報告

6月17日(火) 梅田スカイビル タワーウェスト36F
参加:会員工務店 32名/16社
        設計事務所 21名/18社

近畿大学 建築学部 学部長
建築環境システム研究室 教授・博士 岩前 篤 氏
「住まいの省エネと健康の深い関係」
〜 間違っていた夏の家 〜

お忙しい中多くの方々にご出席いただきありがとうございました。
昨年度の野池先生のセミナーに引続き今年度も断熱に関する学びを重点的に計画させていただく中で、国交省からも研究依頼があるほど有名な岩前教授にお越しいただき講演をしていただきました。

第17回研修会のご報告

高齢化が進む日本において現在の国民医療費は39兆円と今や世界トッップクラスです。
そんな中で国が注目しているのが岩前教授の研究する「住環境と健康」にも関連する『未病』という考え方です。

第17回研修会のご報告

国内の2万4千人にもおよぶ膨大なデータから高断熱住宅と健康の関係を検証すると、高断熱であればあるほどアレルギー、気管支炎、手足の冷えなどに大きな改善があることが確認されており、断熱の設備投資額のほぼ倍に相当する医療費が削減できるそうです。 結果的に、高齢者が理想とする健康な体のまま長寿を全うすることができます。 この仕組みを国の政策として推奨しようとしているのだとか。
これまで多くの工務店が積極的に取組んできた高断熱住宅が省エネ貢献するだけでなく、そこに住む家族の健康に直結しているという実証を改めて得ることができた貴重なご講演でした。
岩前教授さまには、お忙しいスケジュールの中、ご講演いただきありがとうござました。

第17回研修会のご報告

次回も引続き断熱に因んで新住協関西支部とのジョイントで研修会を計画しております。
ご期待ください!

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更新日 2014.04.03

地域型住宅ブランド化事業「現場見学会と工務店訪問」のご報告

見学会

地域工務店が集客に拘り抜いたコンセプトと新たな仕掛けによるマーケティング

京阪神木造住宅協議会の活動報告

3月27日(木) 参加 8社 17名
3月末の駆け込み需要でお忙しい中、現場見学会にご参加をいただきありがとうございました。
株式会社ナカムラ(京都)の杉浦社長さまに、この2年間の営業活動と、コンセプトの家を実現するために準備し練り上げてきた裏舞台を、公開していただきました。

『つい2年前までは、新築の受注が2年に1棟あるか無いかのペースでした。』

技術面では「FPコーポレーション」の高断熱住宅
デザイン面では、「カーサデオリーブ」プロデュース『可愛いかっこいい』住宅
この2つを生かしたご提案と集客の仕掛け作りを、杉浦社長と奥様との2人で進めてこられました。

接客は奥様がされ、女性ならではの細やかな心遣いと、女性同士だからこそできる会話で、信頼関係を築かれ、プランニングのほとんどをされるのだとか。 技術面の折衝や工事に進むまで、杉浦社長が前にでることは無いそうです。

地域型住宅ブランド化事業「現場見学会と工務店訪問」のご報告

また、『可愛いかっこいい』のコンセプトとリンクして、奥様のセンスによるアンティーク雑貨で事務所を飾り、大きく模様替えされていました。
この事務所で、定期的にクラフト作家による雑貨店を開催し、多くの主婦を集める仕掛けを行っておられます。 雑貨店の売り上げでだけでも2日間で20万ほどになるそうです。

地域型住宅ブランド化事業「現場見学会と工務店訪問」のご報告

この雑貨店による集客で、工務店の存在とセンスの良さをさりげなく伝え、新築受注に大きな成果を出し始めているそうです。
株式会社ナカムラさまの事務所を拝見した後、新築現場に移動し、実際に、『可愛いかっこいい』家も見せていただきました。

大掛かりな展示場やチラシやDMといったマーケティングによらずとも、路地裏の小さな工務店が競争に打勝つ大変すばらしい事例をご紹介いただきました。

株式会社ナカムラ(京都)の杉浦社長様には、素敵な場とお時間をご提供いただいた上、素晴らしいお話しをお聞かせいただき、誠に、ありがとうございました。

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更新日 2014.03.20

協議会総会と第16回研修会のご報告

総会 勉強会
協議会総会と第16回研修会のご報告

当協議会も早や5年目を迎え、会員もついに100社を超え、大きな節目となる総会となりました。
総会後、第16回研修会として、一般社団法人JBN 岩崎課長 様とJBNマーケット委員会副委員長 坂下社長 様にご講演いだたきました。 住宅市場は本格的にリフォームへのシフトが始まり、それを後押しする行政の方向性も見えてきています。

協議会総会と第16回研修会のご報告

協議会総会と第16回研修会のご報告 『住宅を資産』への時代
性能リフォームにより貸す 売る 借りる

一般社団法人JBN 岩崎課長 様

協議会総会と第16回研修会のご報告

協議会総会と第16回研修会のご報告 『地域密着工務店の新たなビジネス』
〜最高のサービスとは?

JBNマーケット委員会副委員長
中古住宅流通WG主査
株式会社坂下工務店
代表取締役社長 坂下託一 様

「急速に進む高齢化と人口の減少により、この50年で、98%の都市の人口が確実に減少する。」
今回お出でいただいたお2人のセミナーで、ショッキングなデーターが示されました。
今後、空洞化が深刻となる住宅の有効な利用方法などを模索し、住宅産業と不動産業や金融機関との連携によって進める新たな動きに注目が集まりつつあります。

その代表が『JTI移住・住みかえ支援機構』です。
日本では築30年以上の家の資産価値は0円に近い評価になっていましたが、このJTIの制度によって、中古住宅をリフォーム、インスペクションし、「貸す」「借りる」 資産価値としての運用をサポートし、中古住宅産業の活性を図る仕組みです。 この制度は、国家として住宅資産を高め、豊かな日本経済の新たな基盤を作ろうとする壮大な試みともなっています。

このご講演で、バブル時代の住宅産業のあり方から全く違う住宅産業のあり方へスタートする新たなビジョンをお聞きすることができました。 今後の国や市場や住宅産業の動向を見極めるためにも、JBNからの情報がとても重要であることを改めて実感するところです。


次回の定期研修会は、6月17日(火)

近畿大学 岩前篤教授 をお迎えしての講演となります。
日本人の健康寿命を延ばすため、高断熱気密住宅の重要性を科学的に紐解く、今、話題となっている講演をお願いしています。
また、この研修会では、設計事務所や一般からの参加も予定しております。 会員工務店さまのお施主さまや見込み客さまにもご案内するなど、是非、ご活用ください。