『設計の標準化』と『工務店のマーケティング』
- 講師 伊礼智設計室 代表取締役 伊礼智 氏
- 講師 株式会社山弘 代表取締役 三渡眞介 氏
- 11月28日(金) 三宮研修センター 参加者 86名/60社
年末を控える忙しい時期にも関わらず多くの方にご参加いただきありがとうございました。
講師の三渡氏の「且R弘」が拠点を置く兵庫県も注文住宅におけるハウスメーカーの受注率が全国平均からみてまだまだ高く、地域の工務店に市場を取り返す余地が有ります。 また、急速に減り続ける大工職人の問題への取組みを積極的に行いながら、独自の資材流通を簡略化して流通コストを削減し、それによって浮いた費用を山主と山林の維持保全に還元する仕組みを構築して実践されておられます。
伊礼先生とのコラボレーションは、新築受注の弾みになった一方で、そこに至るまではデザインに対する考え方のギャップが大きな課題となったようです。 既にご存知の方も多いかと思われますが、伊礼先生の提案するデザインは一般的な住宅よりも一尺近く階高が低くなっています。 見慣れていないと違和感があるほど低い天井高ですが、この階高によって空間に広がりを表現できます。 また、何よりも建物の外観がとてもカッコよくなる事が大きな特徴です。 現代の住宅事情では、限られた区画の中に効率よく建物を配置する事を優先させるため、外観が縦長になる傾向にあったかもしれません。
伊礼先生が設計する住宅は基本的な階高から温熱住環境にいたるまで詳細なディテールを繰り返し使い回す『設計の標準化』を進め、注文住宅でありながら完成度の高さと合理化を両立させる内容となっていました。
今回のご講演も、住宅着工棟数が減少する中で地域工務店にとっては大変貴重な内容になったのではないでしょうか?
また、講師の伊礼先生は鹿児島から、三渡社長は東京からとご出張先から直接会場入りしていただきました。ご多忙の中、ご講演いただきありがとうございました。
本年の研修会も最後となりました。協議会会員の皆様におかれましては、協議会の運営にご協力いただきありがとうございました。